私は政治には無関心だが、あの人が予想通りに総裁の地位を射止めた。
若いころはそんなに無関心ではなかった。いやむしろ、政治を語ることが好きだった。
でもこの政権になってから「好きにしやがれ」という投げやりな気持ちになっている。
とうぶん、あの方が日本の代表として君臨なさるのだ。

私たちの生活は変わらない。といって、悪くもならないのだが…
そうだ、そういうことなんだ。
生活していけるというのは、あの好かない首相がなんとかしてくれているからだ。
だから「ほかの政権よりまし」という世論が彼を支えている。
40%もの支持率をゆるぎないものにしている。
彼がいかに、不誠実で、言い逃ればかりしている男でも、「まあいい」という国民の気持ちが勝る。

彼が「実行力がある首相だ」という意見も根強い。「やってる感」を出すのがうまいだけなのだが、すべて「成果」として叫ぶ。
雇用を上向かせた、GDPを押し上げた、空前の成長率を経験した…etc.

彼を一定の評価をするひとがいる一方で、民主主義の敵だ、交戦的だ、軍国主義者だという批判も聞く。

「外交の安倍」なんていう論説もあった。
彼の外交はそんなにほめられたものだったのか?
たしかにフットワークも軽く、諸外国遊説に忙しくしておられた。
北朝鮮問題でも「蚊帳の外」と揶揄されながらも、トランプ大統領への朝貢外交は欠かさない。
卑屈なくらいの対米追従だった。
そして…彼は何かを成しえたか?

私には見えてこない。

周りを見ると、リーマンショックのころと比べたら確かに生活の安定という面からは向上したと思う。
私は恩恵に浴していないが、近所の人のご主人たちの、ボーナスが上がったとか、基本給が上がったとか聞き及ぶ。
私たち、福祉頼みの生活者も、縮小されるのではないかと不安が尽きないけれど、今のところ何も起こっていない。
東京五輪までは、なんとか生活を維持できそうだ。

そうすると、40%の支持率を与える有権者は妥当な線なのかもしれない。
私たちはぬるま湯に浸らされいるカエルなのだろう。
きっとそうに違いない。